【製品概要】
Buscompというのは複数のトラックをまとめたBusの回線に使用するために設計されたCompということです。卓ではセンターセクションについていますが単体のトラックに使用しても問題ありません。
コンプの種類はVCA、オプト、FET、ダイオード、バリミュー管などありますが4000 BuscompはVCAコンプです。VCAという素子でコンプレッションをしています。
VCAコンプの特徴は半導体なので、反応速度がかなり速くFETコンプと似ている部分があります。回路的に遅くすることはできても速くすることはできないので速さを求めるならVCAかFETのコンプということになります。
速いとどうなるかというとコンプレッションした感が出ます。さらに速くしたことよる倍音が増えますので歪みっぽくなります。ドラムなどでコンプ感を出したい、またはちょっと歪ませたいなんて時に便利です。
そして他のコンプと一線を画すのがSNの良さです。加えて構造上ガリも出づらいです。
Shinya’s Studioの4000 Buscompは何が違うのか。
基本的には前述の4000 Buscompを押さえつつ、機能を盛り込んでいます。
まずそれぞれのポジションを追加しています。レシオ、アタック、リリースは本来3~5ポジンションですが、どれも微調整ができるように6ポジションにしてあります。レシオは特に1,5:1や6:1、8:1などが増えて使いやすくなっています。
さらにS.C.HPFの追加。制御信号にハイパスフィルターを追加しています。低域になるほど波長が長い分エネルギーが強く、コンプの検出がされやすくなります。スピーカーのユニットでも低域が入ると大きく動きますね。S.C.HPFで余分な低域を検出回路に送らないことで変にコンプレッションされるのを防ぎます。
さらにMSによるWidth機能の追加。ビンテージのアナログ機材は通すとステレオ感が狭くなる事がたまにあります。Shinya’s StudioのBuscompは最新のためそのようなことはないのですが(笑)、MSによるWidth機能によってLRをさらに広げる事ができます。各トラックでエフェクト的に広げてもいいですし、2MIXの最終段で広げたいシチュエーションは結構出て来ますので若干広げるということもできます。
また本来4000 BusCompはソリッドステートなトランスレス仕様ですがOptionとしてインプット、アウトプットにトランスを追加できます。トランスはNeveのリイシューでおなじみのCarnhillです。インプット、アウトプット、それぞれのトランスのオンオフ切り替えができる特別仕様となっております。
【製品仕様】
今回機材に使用するACアダプターは100V交流入力/18V交流出力などのAC-ACアダプターと呼ばれるタイプで、安価なスイッチング式ACアダプターを採用した設計とは全く違うモデルです。
現在Shinya’s Studioでラインナップしているモデルと回路はほぼ変わらず、電源トランスのみを外に出しただけのイメージになります。
アダプターは変圧のみでこれまで通りバスコンプ内部で直流に変換します。もちろんシリーズ電源です。
電源回路などはそのままに、今回専用AC-ACアダプター用に基板を再設計します。