こちらの商品は【Recording Proshop Miyaji (RPM)】のお取り扱い商品です。
お電話でのお問い合わせは03-3255-3332まで。
【製品概要】
535 - 500シリーズ・ダイオードブリッジコンプレッサー
パンチと太さ、そして多能さで知られる Rupert Neve の 2254 コンプレッサーの魂を受け継ぐモダンバージョンがこの 535 ダイオードブリッジコンプレッサーです。このモジュールには高度なタイミングコントロール、徹底された低ノイズ化、フルステップコントロール、そして内部パラレル処理等の最新装備が盛り込まれています。高く評価される Shelford Channel のために開発されたダイナミクス回路に基づく 535 には、500シリーズ規格に最適な設計が施された Rupert Neve のカスタムトランスフォーマーとクラスAの出力アンプが採用されています。
Rupert Neve 氏が手掛けた最初のダイオードブリッジコンプレッサーからおよそ50年。535 はさらなるレベルの精度と適応性を以てこの伝説的コンプレッサーの魅力を再考し、ミックスを通じトラックをより一層輝かせてくれることでしょう。
■ダイオードブリッジ
543 や Portico II Master Buss Processor で採用されているVCAタイプのコンプレッサーが比類のないクリアさを提供するのに対し、ボーカル、エレキギター、ベース、ドラムなど重要なパートをミックスの中で際立たせたい場合にはどっしりとした、豊かな倍音を湛えるダイオードブリッジタイプが適しています。
2254 等に見られる Rupert 氏オリジナルのダイオードブリッジコンプレッサーがこの 535 の設計の発端となっています。当時のトポロジーの限界を改めて見直すことによって、かの魅力あるサウンドの再現しながら、ノイズフロアの改善、タイムコンスタントの拡張、ダイナミックレスポンス向上のための全波形のサイドチェーン検出の追加、スレッショルドとレシオの制御範囲の拡大、ダイオードブリッジ自体のヘッドルームの引き上げ等、多方面においてアップデートが施されています。535 はパワフルなビンテージコンプレッサーのトーンを有しつつ高い精度や多様性が求められる現代のプロダクションにおける要望を満たすツールで、事実上いかなるトラックにおいても明確にその存在感を示します。
タイミングを速めに設定すると通常は制御電圧の最大振幅が大きくなり、より多くの高調波成分を誘発してメインのオーディオ経路における色付けへと繋がります。遅いタイミング設定では制御電圧は平滑化されるため高調波成分が減り、より透明感のあるコンプレッションをもたらします。またこのトポロジーの性質上、これらのタイムコンスタントはコンプレッションレシオ、スレッショルド、ソース素材といったいくつかの要因に順応し、僅かに変化します。このダイナミックに生成されるタイミング・シフトと倍音成分が、ダイオードブリッジコンプレッサーに独特の個性を与えるのです。
■並列処理
535 のダイオードブリッジが放つ自然な色彩を考えれば、組み込まれたパラレルコンプレッションの能力は非常に有用と感じていただけることでしょう。ブレンド(BLEND)コントロールによって例えば極端なコンプレッションと原音をブレンドすることもでき、ダイナミックレンジを維持したままカラーとパンチを注入し、ナチュラルさとパワフルさの両立を実現します。
■幅広い操作
タイミングコントロールに加え、レシオ(RATIO)、スレッショルド(THRESHOLD)、ゲイン(GAIN)、サイドチェーンハイパスフィルター(SC HPF)とリンク(LINK)コントロールが装備されています。レシオはタイミング設定と同様にロータリースイッチによる6ポジションの切り替え式で、コンプレッサーカーブの傾きをあらかじめ定められた1.5:1から8:1の範囲内で選択することが可能です。スレッショルドは-25dBuから+20dBuまで、31段階の設定が行えます。ゲインコントロールは-6dBから+20dBの間を31段階で設定でき、コンプレッサーによって抑えられたゲインを的確に持ち上げます。サイドチェーンハイパスフィルターは周波数が150Hzに設定された12dB/オクターブの仕様となっています。この機能はコンプレッサーがミックスや楽器類が持つ強い低域に過度に反応しないようにする場合に効果を発揮します。
リンクスイッチは、R6 や R10 のような500シリーズ対応ラックに組み込まれたリンクバスを活用できるように設計されています(Rupert Neve Designs 社製以外のラックを使用する場合、お使いになられる製品の仕様やマニュアルを必ずご確認下さい)。2つのユニットがリンクされて接続されている場合、制御電圧はそれらの間で共有されます。よって1つのユニットがトリガーされると、他方のユニットも均等にトリガーされます。多くの場合、ステレオソースでセンターイメージを維持するのに役立つでしょう。ただしステレオソースの場合、コンプレッサーが片方でトリガーされた時にステレオ幅に影響を与えることもあります。常に「リンクされていない」サウンドを聴くことも必要です。
【特長】
■Threshold - スレッショルド
コンプレッサーが動作する信号レベルを設定します。信号レベルが設定値以上に達した際にコンプレッサーが機能します。
設定範囲は -25 ~ +20dB の31段階で、値が大きいほど圧縮量は少なくなります。
■Ratio - レシオ
コンプレッサーカーブの傾きをロータリースイッチによって設定します。1.5:1、2:1、3:1、4:1、6:1、8:1 の6ポジションから選択可能です。
■Timing - タイミング(アタック/リリースタイム)
6ポジションのロータリースイッチにより、コンプレッサーの開始時間(アタック)とゲインコントロールの持続時間(リリース)を設定します。
・FAST - ファーストアタック(750us)/ ファーストリリース(130ms)
・MF - ミディアムアタック(2.25ms)/ ファーストリリース(130ms)
・MED - ミディアムアタック(2.25ms)/ ミディアムリリース(400ms)
・MS - ミディアムアタック(4ms)/ スローリリース(725ms)
・SLOW - スローアタック(10ms)/ スローリリース(1s)
・AUTO - ミディアムアタック(5ms)/ デュアルディケイリリース(T1 500ms/T2 1s)
*このタイミングは、FASTボタンの設定で変化します。
■FAST - ファーストモード
FASTスイッチは、TIMINGコントロールのアタックタイムとリリースタイムを半分にします。よって使用できるTIMINGプリセット数は実質的に2倍となります。
■Blend - ブレンド
コンプレッションされた信号と処理前の信号(原音)のバランスを設定します。0%に設定した場合、コンプレッサーをバイパスした際とほぼ同じ音になります。100%にした場合、完全に圧縮された信号となります。
■Gain- ゲイン(メイクアップ)
コンプレッサーはオーディオ信号のレベルを抑えるプロセッサーです。そのため、オンにした際とオフにした際の出力音量が異なります。ゲイン(メイクアップ)でコンプレッサーによって抑えられたゲインの補正を行います。一般的にはコンプをオンにした際とオフにした際の音量を同じにするように調整します。
■Comp In - コンプレッサー イン
コンプレッサーのオン/オフを操作します。このスイッチを解除するとコンプレッサーはバイパスされるので、圧縮されたサウンドと原音とを素早く比較試聴することができます。 ゲインコントロールと組み合わせて使用しましょう。
■Link - リンク(ステレオ動作)
対応する500シリーズラックのリンクバスを通じ、サイドチェーン制御電圧によってもう1台の 535 とコンプレッサーの動作をリンクさせることができます。リンクモードでは圧縮量が強い側のコンプレッサーが両方のオーディオ信号経路を制御します。適切なステレオのセンターイメージを維持しながらコンプレッションを行うために、リンクされていないサウンドも試聴しながら設定することをお勧めします。
■Sidechain HPF - サイドチェーンハイパスフィルター
このスイッチを使用すると、コンプレッサーのサイドチェーンに12dB/オクターブの150Hzハイパスフィルターを挿入できます。これによりコンプレッサーは150Hz以下の成分に反応し難くなります。 例えばドラムキットで使用する場合、キックドラムのダイナミックなエネルギーの大半が150Hz以下に集中するため、そのローエンドはスネアやシンバルほどコンプレッションの影響を受け難くなります。
■Level and Gain Reduction Metering - レベルとゲインリダクションメーター
2つのLEDメーターは、コンプレッサーの出力レベルと入力信号に適用されているゲインリダクション量を正確に表示します。